ギークハウス越路

田舎でシェアハウスをやっていくという話【東南アジアの田舎町で受けた影響】

2017年5月から新潟県長岡市の越路地域でシェアハウス、ギークハウス越路をはじめました。古民家をシェアしてインターネットが好きな人が集まりゆるく暮らすというコンセプトで運営していく予定。運営者はギークハウス新潟と同じです。どうぞ宜しくお願いします。

オープンにあたりその経緯をきっかけと物件についての2回に分けて書いていきたいと思います。まずはきっかけ、僕が影響を受けた田舎について。

田舎でシェアハウスをやることになったきっかけ パーイ、バンビエンという2つの街


東南アジア。
ラオスにバンビエンタイにパーイという街がある。
前者は世界遺産のルアンパバーン、後者は首長族で有名なメーホンソンへの中継地で一般の旅行者はまず通過するであろう場所だ。
この2つの街は非常に似ていて、東南アジアにしては割と涼しく、それほど人口も多くない山間の小さな街である。かつてはドラッグ等であんまりイメージが良くなかったが、一掃されていまは世界中からのんびりしたい人がわざわざやってくる

タイ北部やラオスの山深さはガチ


僕がこの辺にハマったのが6年前ぐらい。
当時タイ南部のリゾート、プーケット島で暮らしていたんだけど年1000万人に増えた観光客や中国、欧米からの移住者の急激な増加で賑やかになった結果、かつてののんびりした雰囲気が薄れ「なんかちょっと違う」と思い始めていた。人が増えたことで物価も高くなったこともあって、「海は飽きたから山の方でも行くかな」ぐらいのテンションでタイ北部やラオスを放浪し始めた。

バンビエンの川沿い


パーイもバンビエンも端から端まで歩いて15分ほどのサイズの街でその中に小さいお店や食堂、マッサージ店、土産物屋、旅行代理店などが全部詰まってる。そして同じ東南アジアとは思えないほどプーケットにはない雰囲気が漂っていた。

平日の昼間から酒

仕事を一時的に辞めゆっくりしている人、長期の年次休み、所謂バケーション中の人、早期リタイアした人、ネットでゆるい仕事をしている人、バックパッカーくずれの人。そんな人たちが流れに流れて行き着いたところだった。

パーイのバンガロー群


すれ違う人は現地の人より欧米人のほうがはるかに多く、川沿いのバンガローでは「休みにはしっかり休む」と言わんばかりにゴツい欧米人たちがハンモックに揺られ眉間にシワを寄せながら本を読んでいる。

意外なことに若い女性も多い


パーイにはセブンイレブンがあるがバンビエンは屋台と小さい商店が主流


1日の滞在費は食事や宿含めてどちらも10ドル(1100円)ほど。東南アジアの中でも安い部類。

タイヤのチューブで川下りをするチュービング


パーイにはパッとしない温泉、バンビエンにはチュービングというしょーもない川下りがあるが、他にたいしたコンテンツもなく本当にのんびりするだけの街。
そんな何もない街ながらもゲストハウスやバンガローは大盛況。アジアも大きい街が多くなり、むしろ何もないところでのんびりできることがコンテンツになっているようだった。

パーイで出会ったオランダ人

パーイのゲストハウス


パーイには当初1泊して北上する予定だったが、居心地の良さから1泊が2泊・・と結局2週間ぐらいゲストハウスに滞在してしまった。そのゲストハウスに僕と同じように昼ぐらいに起きてずっとネットをしてるだけの欧米人がいた。ふだんはパリピ系欧米人とはあんまり話が合わないのでそんなに話しかけたりしないが、彼からは僕と同じニオイを感じたので声をかけてみた。

「チェンマイでノマドワークしてたんだけどパーイの噂を聞いてやってきたんだよね」

オランダから来た28歳でリモートワークをしながらタイ国内を転々としていてパーイに行き着いたそう。
「オランダには山がない(!)のでパーイは新鮮」「NARUTOという日本のアニメが流行っていて自分も好き」「(手前の街の)チェンマイはノマドワーカーの聖地と化していてカフェ混みすぎ」みたいな他愛もない話をしてたんだけど一番興味深かったのは

僕は仕事に向いてないのでなるべく労働時間を少なくしていてその分節約している

という話。聞けばオランダは週3日とか1日5時間とかの労働がそんなに珍しくなく、世界でも労働時間の短い国らしい。そして仕事が苦手な人は一定数いるという考え方もあり、特に後ろめたさを感じていないとのこと。

僕自身、会社の人間関係がめんどくさくてタイに住んでいたので気持ちがわかる方ではあるが、アウトローであることは自認していたので、先進国のひとつが多様な生き方を認めていて、ワークライフバランスを大切にしていることは驚きだった。

50歳になったらタイではリタイヤした人向けのビザ(滞在許可証)が取れるのでそれが目標なんだ」

自分が仕事に向いてないと早々に見極め、早期引退を視野に人生設計し自分にあった場所に住む・・。なるほど、それはそれで幸せかもしれないし、一つの成功の形かもしれないと思った。そんなことを考えているときに彼からこんなはっとする質問が。

日本はいい国だと聞いて興味があるんだけど僕みたいな人が住めるようなパーイみたいな街はどこなんだい?

ギークハウスを新潟に作ってみたら

ギークハウス新潟


日本は海も山も川もあり自然豊かで沖縄をはじめのんびりしたところはいくらでもある。が、お金をかけずに過ごせるのんびりした街というコンセプトはあまり聞かない。
彼のように仕事に向いてない人は一定数いるはずだしのんびり暮らしたい人も多いはずだが、それができるのは別荘を持っているようなお金持ちの特権なのだろうか

オランダ人の彼と別れ、東南アジアを旅する間ずっとそんなことを考えていた。答えが出ないまま何ヶ月か経ったとき、自分が所有する一軒家に空きが出た。
もともと空きが出たら更地にして売りに出す予定だった家。安くのんびり過ごせる街は無理だけど家なら作れるのではと思い、よく見ていたphaさんのブログを参考にネットが好きな人向けのシェアハウス、ギークハウスを新潟に作ってみた。当時新潟ではほとんどなかったシェアハウス。不動産屋にも地方でシェアハウスは無理と言われた通り、オープン当初はまったく人が入らなかった。が、緊張の糸がプツンと切れて糸が2本になった二糸(ニート)が次のステップまでの間に住むような家になり、住民はそのまま新潟で就職したり、自分で事業を興したりしている。現在はおかげさまで個室にはなかなか空きが出ないぐらいにまではなった。

理想のシェアハウスを求めて

とはいっても新潟市は北陸最大、人口80万の都市。のんびりしているにはしているがパーイやバンビエンとは雰囲気がまったく違う。
パーイ、バンビエンのような田舎でもうちょっと安いシェアハウスを作ることはできないだろうか
という思いで北海道から沖縄まで全国の物件を探すようになった。

ここまでがきっかけ。次回、物件について。

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